ぴーたろです^^
先日、アメリカ国内でのインターネットを使った物品の売上に対して売上税(Sales Tax)が徴収されるという大きな意思決定が行われました。
今回は、アメリカ国内の消費税的な位置づけである「売上税」の概要と、今後のAmazon輸出への影響をまとめておきます。
ぴーたろ
各方面から多くの質問を受けていますので、皆様の参考になれば幸いです^^
もし最新の状況を確認したくなったらこちらのページに立ち返ってみてください^^
もくじ
米国最高裁がネット売上の売上税徴収を認める!
2018年6月21日、アメリカの最高裁はインターネット通販業者に対して売上税を課税を各州に認める判決を下しました。
ぴーたろ
実はアメリカではこれまで、ネット通販の場合は物理的な実店舗が存在しないこと等を理由に、原則としてネット通販の業者は売上税が課税されていませんでした。
1992年に事務用品の小売業者であるQuillがノースダコタ州と裁判をしそのような判決が出ていたことで、ネット通販の売上税は課税しないことが暗黙の了解のような状況だったのです。
ぴーたろ
しかしながら現代、インターネットを使った通販は生活の一部のように当たり前の存在となりました。
この点、実際に店舗を持って商売をしている業者と、私たちのようなネット販売をしている業者とで、売上税の納税義務に違いがあると不公平ですよね。
実店舗を持って販売をしている場合だけ税金を納めないといけないので、現地でお店を構える商店さんは価格面でネット業者に対抗するのが難しくなっていたのです。
ぴーたろ
今回の判決によって、アメリカの州内に物理的な店舗がない場合でも、その州内のお客さんに商品を販売するときには、それに見合う売上税を徴収する事が可能となりました。
ぴーたろ
そもそも売上税とは?
これまでの歴史が分かったところで、簡単に売上税の説明をしておきます。
いつものように、抑えておけばいい重要ポイントだけかいつまんでおきます^^
売上税の仕組みと日本の消費税との違い
アメリカの売上税は、日本でいう消費税的な位置づけの税金ですが、その課税の方法や仕組みは結構違いがあります。
イメージしやすい簡略図を作ってみました。
ぴーたろ
売上税と消費税の違い1.多段階課税
まず、大きな違いのひとつが多段階課税かどうかが大きく違います。
日本の消費税では、各取引段階で消費税が徴収され、各納税主体(メーカー・問屋・小売それぞれ)が消費税を納税します。
一方で、アメリカの売上税では、再販(resale)目的の取引は売上税を徴収する必要はありません。
ぴーたろ
とはいえ・・・
図を見て頂くと分かる通り、私たちAmazon輸出セラーは図の小売りの立場ですので、アメリカでは売上税を納税する必要があることが分かります。
売上税と消費税の違い2.納税先
また、2つ目の大きな違いは納税先です。
日本の消費税は国税(一部は地方消費税)である一方、アメリカは州税であるため、納税先が国か地方自治体かという点でも異なっています。
ぴーたろ
このポイントはさほど気にしなくてOK。
売上税の税率
では、売上税の税率は一体何%なのでしょうか??
これは、先ほど述べた納税先の違いが絡んでくるのですが、アメリカでは州がそれぞれ独立した国のようにルールや法律に違いがあります。
ぴーたろ
日本のように一律に消費税率が決まっているのとは大きく違うのです。
(参照:https://taxfoundation.org/)
目安としては6%~8%程度。
もちろん例外もあり、特定の非課税となる物品の種類や範囲も州によって違いがある点は注意が必要です。
インターネット売上の売上税は一部の州で既に徴収されていた
知っている人もいらっしゃると思いますが、今回の最高裁の判決の前から、一部の州については売上税が徴収されていました。
念のため共有ですが、ワシントン州に引き続き、2018年4月1日よりペンシルベニア州でも売上税(Sales Tax)徴収始まってますよー(/・ω・)/現状6-8%!!無在庫なら事前に把握可能ですが、FBAセラーは一度販売先の州を一度把握したほうがいいですね^^ #Amazon輸出 #eBay輸出 #売上税 pic.twitter.com/CPVZ6ggXiQ
— Amazon輸出ぴーたろ@法人化 (@pitaro_export) April 6, 2018
実際にPA(ペンシルベニア州)とWA(ワシントン州)のお客様向けの出荷には売上税が徴収されていました。
売上税の徴収の確認方法は、セラセン>Payment>Date Range Reportをダウンロードしてみてください。
「sales tax collected」の欄の金額が、お客さんから徴収された売上税です。
売上税が課税される州の一覧表
今回の判例を受けて、ネット販売にも売上税を課税する法律を整備する州がどんどん増えています。
現状の課税対象の州は以下の通りです(日付は売上税の徴収開始日)。
- ワシントン州(2018年1月1日)
- ペンシルベニア州(2018年4月1日)
- オクラホマ州(2018年7月1日)
- ミネソタ州(2018年10月1日)
- ニュージャージー州(2018年11月1日)
- コネチカット州(2018年12月1日)
- アイオワ州(2019年1月1日)
- アラバマ州(2019年1月1日)
- サウスダコタ州(2019年3月1日)
- コロンビア特別区(2019年4月1日)
- ネブラスカ州(2019年4月1日)
- サウスカロライナ州(2019年4月29日)
- アイダホ州(2019年6月1日)
- ニューヨーク州(2019年6月1日)
- バーモント州(2019年6月6日)
- ワイオミング州(2019年7月1日)
- ウェストバージニア州(2019年7月1日)
- バージニア州(2019年7月1日)
- ロードアイランド州(2019年7月1日)
- ニューメキシコ州(2019年7月1日)
- ケンタッキー州(2019年7月1日)
- インディアナ州(2019年7月1日)
- アーカンソー州(2019年7月1日)
ぴーたろ
売上税課税のAmazon輸出への影響
では今回の売上税の取り扱いによって、Amazon輸出はどのような影響を受けるでしょうか。
ぴーたろ個人的な見解も含め述べておきます。
税込み・税抜き表示問題
まず、ぴーたろ個人的に一番気になっていたのは、今後のAmazon.comの税込み・税抜き表記の方針でした。
これ、仮に今後は売上税を含めてAmazonの出品価格を設定しないといけなくなったとき、単純に今までと同額で商品を売っていたら、売上税部分だけ利益率が下がりますよね。
自分は対応できても、情報をキャッチアップしてないセラーさんなどがいると、赤字販売が横行するような地獄絵図になるのではないかと懸念しました。
結論を申し上げると、これについては、セラー側はあくまで税抜販売価格を設定しておけばOKです。
ぴーたろ
アメリカのAmazonのお客さんは、商品を購入するタイミングで、私たちの販売価格とは別にAmazonから売上税の見積もりが表示されます。
全体的に市場縮小の可能性はあり
セラー側は税抜きの販売価格を設定しておけばいいのは上述の通りですが、実際にお客さん側の購入画面では、売上税が上乗せされて表示されます。
実際に購入された商品の種類やお客さんの指定する納品先の州によって税率が決まるようです。
これ、仮に売上税が5ドルだったとすると、一度5ドル上乗せした金額が私たちの売上代金と一緒に入金されて、その後即座にAmazonが5ドルを徴収しています。
ぴーたろ
理解しておきたいのは、お客さん側の支払う負担は増えているというポイントです。
実際に商品を購入するためにお客さんが支払う金額は、売上税分だけ従来よりも高くなっていることは理解しておきましょう!
ぴーたろ
従来ネットで税金がかからず安く購入できていたものが高くなるという事です。
少なからずEC市場全体としては市場消費が縮小する悪影響はあるかと思います。
今後の売上税の取り扱いには注意
以上、Amazon輸出と米国売上税の関係でした^^
今回ご紹介した内容は、アメリカ政府、各州、Amazon側の動きも含め、まだまだ流動的な部分も多く残されていると思います。
少し難しい話をすると、アメリカの各州は州税の課税権の有無を「Nexus(ネクサス)」と呼ばれる基準で決定しており、ネット販売のNexusをどのように取り扱うかなど具体的な論点も別途に存在しています。
ぴーたろ
今後のインターネット販売と売上税の動きは継続的にウォッチングしておくことをオススメします。
ぴーたろ
日本国内の税制とAmazon輸出との関係はこちらにまとめています。
①Amazon輸出と税金~所得税入門講座~
②Amazon輸出と税金~住民税入門講座~
③Amazon輸出と税金~消費税入門講座~(重要)
また、税金で不安なことがある場合にはきちんと税理士さんに相談をしてください^^
副業のAmazon輸出ビジネスでは税理士は必要なのか?
今回の決定によりEC市場全体としてはダメージを受けると書きましたが、そもそも世界のEC市場はそれを上回る伸び率で成長を続けています!
ぴーたろ
それではー♪
こんにちは!札幌からアマゾン輸出して6年になります。
いつも読ませていただいてます。
2021年2月中頃にペンシルベニア州のDepartment of revenue から手紙が来まして、Dear Taxpayer から始まりざっくりいうと、2019年1月1日からの払っていない税金を支払えという内容と思います。
ID番号やCASE番号のついた様式の書類が入っていて送り返せばいいようなのですが、
(多分詐欺でもなさそうだし)一応書いてあったメアドに問い合わせてます。(5日経ちますがオートメールが来て、返答待ち)
アマゾンでDate Range Reportをダウンロードして確認したところ、ところどころ税金の徴収が0円のところが見られました。徴収されていないと思われる税金合計は10ドルもないのですが、あることはあるなと。
どなたか同じような手紙が来ている方をご存知ではないですか?
ぴーたろさんには来てませんか?
情報が欲しくて書き込みさせていただきました。
よろしくお願いいたします。
山口さん
こんにちは!
いつもブログに遊びに来ていただきありがとうございます^^
気になる内容ですが、同様の事例は今のところ聞いたことがないです。
PA州は18年4月からいち早く売上税の課税が法律化された州のはずですが・・・
もし顛末分かれば教えて頂けると幸いです( ゚Д゚)